フランスの専門学生のスタージュstage(研修)って何?
日本では学生のうちに将来就きたい職種がある企業で職業訓練を受けることを義務付ける制度はありません。
フランスではこの制度を(高等)専門学校に義務つけることで、「学びながら仕事を覚えていく」、つまり技術と職歴をつくることになります。
逆に大学では研修はないので、大学や大学院を卒業しても職はなく、30歳になっても正職に着けない人たちがゴロゴロいるのが現実です。
スタージュというと、
- ワーキングホリデーでフランスに来て、自力で職探しをする人も研修生となり、企業で経験を積む場合
- 専門学生が2年目以降に実際に企業で経験を積む場合
があります。
@とAの違いは、ビザと滞在許可証の身分が違うということだけ。
@の場合、渡仏後、自分で受け入れ先の企業を探し、契約書を結びます。
Aの場合、学校の掲示板をみて企業へ直接面接をアポを取ったり、学校内にある研修案内担当に相談し、研修先とのアポを取ってもらったり、自分で研修したいと思うところに面談を申し出るレターを書いたり、直接研修先に出向いてその場で面談のアポをとり、研修先をみつけます。
フランス語がまだうまく話せない場合、研修先の受け入れを断られる場合もあるので、できるだけ渡仏する前に仏語会話を勉強しておくことをお勧めします。
雇用契約は必ず結ぶこと
面接で研修の契約がきまれば、「雇用契約」を結びます。
これがないと、研修をした(企業で働いた)証明ができないので、必ず契約書を結ぶこと。
この契約書を 「Convention de stage」といいます。
研修時のサラリー
専門学生の場合:
専門学校中に研修をする場合、「学生」の身分で、研修をすることが卒業単位の一つになり、学校のカリキュラムに組み込まれているので、研修生としてのサラリーはないのが一般的。
もし研修生のサラリーがでるとしても、これで生活費は稼げません。
研修先の企業によってお礼程度の賃金がある場合があります。
フランスで専門学校の研修先の探し方
レストラン業界やパンやパティスリー業界の研修は、パリであれば毎年日本人も研修をしている実績があるので、研修先を探すのは比較的楽です。
料理学校であれば、辻料理学校のようにパリ校と留学研修プログラムを学校独自にやっているので、研修先を自分で探すてまが省け、研修終了後に帰国して経験をもとに、一流の料理界へ就職することが可能になります。
また在仏日仏料理教会や大手の留学会社では、研修先まで決めてくれるところもあるので、フランス語に自信がない人や、フランスに行ってから研修先を探す手間が面倒くさい人にとってはお勧めします。
ただし、費用がかなりかかります。
在仏日仏料理協会 http://www.afjg-japon.com/
実際、料理や製菓の専門学生は、お店に飛び込みして「研修をさせてほしい」と依頼したり、同学校出身の個人的なコネクションを使って、研修先の人と面談の話をとりつけてもらうことが多いです。
料理や製菓以外の専門学校に入学し、研修先を探すには、当然現地のフランス人学生との競合がまってます。
フランス語力もネイティブと同様のレベルを求められます。
1年目は学校で習うことだけなので、この1年の間にフランス語能力がどれだけ伸びるかにも関わってきます。
専門学校は習うことも課題も多く、大学とは違います。その分、技術的なことを学べ、研修の経験が付くので、将来のキャリアにもつながる場合はあります。
研修先は料理や製菓学校と同様、お店に飛び込みや個人的なコネクションを使って、研修先の人と面談の話をとりつけてもらうことが多いです。
ワーキングホリデーと社会人の職業研修制度の研修方法は違う!
ワーキングホリデーの場合
ワーキングホリデーで研修先で仕事をする場合、学生の身分ではないので、労働基準法によって最低賃金が支払われる場合もあります。これも研修先のオーナーによって違います。
フランスの労働法によると、「2か月以上の研修には報酬が出ることになってます。」
研修の契約書を結ぶときに、賃金が明記されていない場合は、その場で必ず雇用主に確認してください。
賃金が明確に書いていないと、travail noir いわゆる賃金が支払われないタダ働きや、基本賃金未満のサラリーしか支払われないこともあるので、要注意。
社会人の職業研修制度について
この制度は、日本ですでに企業で働いていて、経験も積んでいる人に対する研修制度なので、専門学校やワーキングホリデーの研修制度とは違います。
多くは、フランスの会社と提携指定している外資系の日本支社に勤めていて、人事交流で日本からフランスの企業へ一定期間派遣されるイメージです。
フランス側の企業から、「日本の企業のAさんを受け入れたい」という申し出があった場合に使える制度です。
フランス受け入れ企業が外国人管理局 DIRECTEへ「日本人の受け入れ許可」を申請
↓
フランスの移民局 OFIIへ手続き
↓
在日フランス大使館へ連絡・手続き
↓
日本の企業へ連絡
↓
研修する本人が在日フランス大使館でヴィザ・研修申請手続きを行う
この研修制度は、18ヶ月までとされてます。
この研修制度の場合、フランスで自分で研修先を探すことなく、渡仏したらすぐに働き先が決まっているので、専門学生やワーキングホリデーよりも優遇されています。
ただフランスの企業で期待される研修生のための制度なので、企業の管理職級の人たちがキャリアを付けるための制度と考えられます。